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新湊地区

新湊地区は、新産業都市富山・高岡の中核的プロジェクトとして、放生津潟を開削する形で掘込み港湾として整備を進めました。昭和43年4月に開港し、同時に造成された背後工業用地(426ha)には、約90社が立地しており、工業港湾として着実に発展してきました。また、ロシア・韓国・中国への定期コンテナ航路が就航しており、その取扱貨物量は着実に増加し、それに伴いコンテナヤードの拡張(H19、H30)や、岸壁の延伸工事(H22、R1)を実施し、コンテナ用ガントリークレーンを1基増設して2基体制となりました。さらに、平成24年9月には新湊大橋を供用し、航路によって分断された東西地域を再び結びつけ、物流効率化が図られるとともに、新たな観光スポットとしても注目されています。

沿革

昭和43年(1968) 富山新港(新湊地区)が開港する。
昭和55年(1980) 外貿コンテナ船が就航し(極東ロシア航路)する。
昭和61年(1986) 国の特定重要港湾に指定される。
平成元年(1989) 東南アジアとのコンテナ航路が開設する。
平成元年(1989) ガントリークレーンが供用開始する。
平成9年(1997) 新湊大橋の整備に着手する。
平成14年(2002) 国際物流ターミナルが供用開始する。
平成15年(2003) 旅客船ターミナルが供用開始する。
平成19年(2007) 海王丸パークがみなとオアシスに登録される。
平成22年(2010) 国際物流ターミナルのガントリークレーン2号機が竣工する。
平成23年(2011) 港湾法改正により国際拠点港湾に指定される。
平成23年(2011) 日本海側拠点港湾に選定される。
平成24年(2012) 新湊大橋(車道部)が開通する。
平成25年(2013) 新湊大橋(自転車歩行者道)が開通する。
平成28年(2016) 国際物流ターミナルの延伸整備に着手する。
令和元年(2019) 国際物流ターミナルが岸壁延長408mで供用開始する。
令和元年(2019) 中央ふ頭の再編整備に着手する。

主な事業

◆新湊地区全景

新湊地区(令和3年12月撮影)

事業内容

◆臨港道路整備事業(富山新港東西線)

本臨港道路は、増大するコンテナ貨物を中心とする港湾貨物等の物流の円滑化および効率化を図るために、富山新港の東西埋立地を結ぶものであり、港口部の航路を跨ぐ主橋梁部の構造は中央径間を鋼桁、側径間をPC桁で構築した5径間連続複合斜張橋です。 平成24年9月23日に車道部、平成25年6月16日に自転車歩行者道が開通しました。

臨港道路富山新港東西線とは

臨港道路富山新港東西線は、富山新港によって分断された東西地域を結ぶ橋。 物流の効率化や交通アクセスの向上など、様々な効果が期待されています。

■ 臨港道路富山新港東西線を知る5つのポイント

● 構造『車道と自転車歩行車道の2層構造を持つ複合斜張橋』

fig06

主径間(東西主塔間)を鋼桁、側径間をPC桁(プレストレストコンクリート桁)で構築した橋桁を、主塔に設置した72本のケーブルによって支える複合斜張橋です。車道は2車線あり、その下には全天候型の自転車歩行者道が通っています。この自転車歩行者道にはウォークインスルー形式のエレベーターでアプローチすることができます。

● 規模『主橋梁部約600m、主径間360mの日本海側最大の斜張橋』

臨港道路富山新港東西線の延長は約3,600mあり、そのうち主橋梁部は約600m(主径間360m)で日本海側最大の斜張橋といえます。東西主塔の高さは約127mとなっており、橋桁から海面までの高さは約47mで、大型船もスムーズに航行することができます。

● 安全対策『最新の技術による高い耐震性・耐風性』

地震エネルギーを吸収する制振装置を取りつけ、阪神淡路大震災級の大地震にも耐えられるようにしているほか、風をスムーズに流す風切り構造によって橋の振動を少なくしています。またこのほかにも、積雪、塩害、摩耗などに対してそれぞれの対策が施されています。

● デザイン『白をいかして美しくシャープな印象』

橋梁はA型主塔を採用し、白色で統一することによって、周囲とも調和するシャープで美しいデザインとなっています。自転車歩行者道は落ちついたな雰囲気の木造歩廊をイメージし、地上50mの眺望を楽しめるエレベーターホールや一定間隔の拡幅空間、半間接照明を設けることによって、空間にアクセントを持たせています。

● 安全対策『最新の技術による高い耐震性・耐風性』

臨港道路富山新港東西線の完成により、今までの約1/3の時間で東西地域を行き来できるようになり、物流の円滑化を図ることができます。また、地域同士の交流が盛んになると同時に、県内外からの観光客が増加し、まちの活性化にもつながります。

◆ 事業概要

計画延長 約3,600m
桁下空間 最高水面+47m
計画速度 50km/h
車線数 2車線(道路幅3.5m×2車線/路肩の幅1.25m)
最急縦断勾配 2車線(道路幅3.5m×2車線/路肩の幅1.25m)
主橋梁部構造 5径間連続複合斜張橋600m

■ 臨港道路富山新港東西線Q&A

臨港道路富山新港東西線に関して、皆様から寄せられたご意見・ご質問にお答えしています。 ここに掲載された以外のご意見・ご質問のある方は、お問い合わせフォームからお気軽にどうぞ。

お問い合わせフォームへ

● 新湊大橋が建設されることとなった経緯について教えて下さい。

富山新港は、新産業都市建設における新しい臨海工業地帯の基幹的流通拠点として昭和36年に建設に着手し、昭和42年に道路・鉄道のあった港口部を開削、昭和43年に開港しました。その後、周辺には多数の企業が立地し、また、コンテナを扱う国際物流ターミナルや旅客船バース、海王丸パークなども整備され、現在では物流・産業・交流の拠点として伏木富山港の拠点として伏木富山港の中核的役割を担っております。こうしたなか、増大する港湾物流の円滑化・効率化を図るため、新湊地区港口部の東西地区を結ぶ臨港道路が計画され、平成14年度より現地着手し、平成24年9月23日に供用しました。

● 地震対策はどうなっていますか。

新湊大橋は、平成7年の兵庫県南部地震、平成16年の新潟中越地震のような大規模地震にも耐えられるように設計されています。 地震が発生したときに、地震のエネルギーを吸収したり、橋がゆっくりと揺れるようにする3種類の制震装置(弾性拘束ケーブル、オイルダンパー、免震支承)を取り付け、地震時の揺れを和らげるための工夫が施されています。

  1. 弾性拘束ケーブル:主桁と主塔をPCケーブルによって、弾性固定とし、橋脚と塔に対する主桁の慣性力分担率を調整します。
  2. オイルダンパー:主桁と主塔の間にオイルダンパーを設置し、地震時のエネルギーを吸収します。
  3. 免震支承:主塔及び橋脚上の支承には免震支承を採用し、履歴減衰による橋の応答値低減を図っています。

● 新湊大橋のケーブルの本数、総延長及び太さを教えて下さい。

新湊大橋の西側と東側の主塔から斜めに張っているケーブルの本数は、合わせて72本あります。1主塔あたり36本のケーブルで主桁を支えており、総延長は7,743mになります。 ケーブルの太さは、主桁を吊る位置でそれぞれ異なります。主塔に近いところでは直径95mm(7mmの鋼線を109本束ねたもの)、主塔から遠いところ(橋の中央部)では直径133mm(7mmの鋼線を211本束ねたもの)になります。

● 新湊大橋は橋桁から海面までの高さが47mあるそうですが、それは橋の中央ですか?それとも2本の主塔付近ですか?

新湊大橋は、富山新港の航路を横断して架けられています。桁下の高さは、この航路を航行する船舶の支障にならない様に、航路幅270mにかかる桁下部分(東西主塔のやや海側の間)で最高水面+47mを確保しています。 新湊大橋は、曲線を描いていますが、その曲線の一番高いところ(中央部)は、航路の端よりも若干高くなっています。

● 車道は一般道と同様に歩くことができますか。

車道は車専用で歩くことは出来ません。歩行者や自転車は車道の下部に設置された自転車歩行者道を利用してください。

● 新湊大橋の通行は有料ですか。

新湊大橋の通行は、車道、自転車歩行者道ともに無料です。

● 新湊大橋の保守保全はどこが担当ですか。

新湊大橋は平成24年9月14日から港湾管理者である富山県が管理しています。